加工室の風景
本日は講師をされています船本先生がご自身のお店のホームページで書かれている眼鏡学校の記事をご紹介いたします。
手摺りの加工機がずらりと並ぶ加工室。
もちろん、最新の機械もありますが、基本は手摺りです。
私も現役時代、丸いレンズを正方形に仕上げ、4面どこでも安定して立てることができるよう、徹底的に仕込まれました。
整 然と並んだ箱。
カギ箱といいます。
ガラスレンズをレンズカッターで切った後、手摺り仕上げの前に切断面を整える器具です。
力の入れ方を誤ると、ピンッと割れてしまいます。ときには、怪我もします。
箱の中は、この通り。
切断されたレンズ片とカ ギ落とされたレンズの粉でいっぱい。
このレンズの破片は、工場で溶かされ再生されます。
フィッ ティングやプラスチックフレームの加工、調整には、温風機を使います。
昔は、電熱器も使ったので、加工室でもちょくちょく発火していました。
温風機だからといって、油断は禁物。
そうそう、多目的教室には、
レンズメーターが並んでいます。
望遠鏡式のいわゆるアナログです。
現在の眼鏡店や医療現場で使われているのは、ほとんどがデジタルレンズメーターでしょう。
デジタルメーターは、速く、確かに正確ですが、いわばブラックボックス。
光学がわかっていなければ、ただ、データに振り回されるだけです。
アナログでピントを合わせることで、光学の基礎もたたき込みます。
そうすることで、眼鏡技術者に必要なスキルが、確実に身に付きます。
いまどきめったに見ないガラスレンズ。
全自動加工機全盛のご時世に手摺りの特訓。
手前味噌ですが、アナログな、一見、時代遅れな、この過程を学んだ技術者こそ、本当の「眼鏡屋」になれると思っています。
誰もいない加工室で、30年前を思い出し、つい、熱く語ってしまいました。
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コメント
素晴らしい!その通りです。
学校を離れた私だけが思ってるのでなく、学校の講師が私と同じ思いでいらっしゃり、今の学生にそれを伝えてくださる。
私も、いい眼鏡屋さんになれるようにもっと頑張らないといけませんね!
投稿: 卒業生代表 | 2015年9月28日 (月) 19時40分